『環境マネジメント―環境パフォーマンス評価―指針』の概要
(JISQ14031:2000)

 この資料は、環境マネジメントにおける環境パフォーマンス評価の設計及び使用に関する指針を示したJIS規格で、それを要約したものです。

0.序文

 環境パフォーマンス評価(EPE)は、組織の環境パフォーマンスが組織のマネジメントによって決められた基準を満たしているか否かを判定するために、信頼が出来て検証可能な情報を、いつでもマネジメントに提供する内部的なプロセスであり、ツールである。
 環境マネジメントシステムを制定している組織は、その環境方針、目的、目標、その他の環境パフォーマンスを評価するのがよい。
 環境マネジメントシステムをもたないとき、環境側面を特定したり、どの側面を重要と扱うかを決めたり、及びその環境パフォーマンスの基準を設定したりすることの一助としてEPEを使用するのがよい。
 EPEは、パフォーマンスの経時変化だけでなく、現在のパフォーマンスを評価するためのデータ及び情報の収集ならびに評価の継続的なプロセスである。対照的に、環境監査は、規格要求事項への適合性を検証するために定期的に実施する。


1.適用範囲


2.用語及び定義(主要な用語のみを示す)

2.3 環境状態指標[environmental condition indicator(ECI)]:局地的、地域的、国家的又は地球規模の
   環境状態に関する情報を提供する特定の表現。
2.5 環境マネジメントシステム[environmental management system(EMS)]:全体的なマネジメントシステム
   の一部で、環境方針を作成し、実施し、達成し、見直し、かつ維持するための組織の体制、計画活動、
   責任、慣行、手順、プロセス及び資源を含むもの。
2.8 環境パフォーマンス基準[environmental performance criterion]:組織の経営層が設定し、EPEのために
   用いる、環境目的、目標、その他意図する環境パフォーマンスのレベル。
2.9 環境パフォーマンス評価[environmental performance evaluation(EPE)]:組織の環境パフォーマンスに
   関して、経営判断をしやすくするプロセス。環境指標を選定すること、データを収集及び分析すること、
   環境パフォーマンス基準に対して情報を評価すること、報告及びコミュニケーションをとることを図ること、
   ならびにそのプロセスの定期的なレビュー及び改善すること、による。
2.10 環境パフォーマンス指標[environmental performance indicator(EPI)]:組織の環境パフォーマンスに
   ついての情報を提供する特定の表現。
2.10.1 マネジメントパフォーマンス指標[management performance indicator(MPI)]:組織の環境パフォー
   マンスに影響を及ぼす、様々な経営取組みについての情報を提供する、環境パフォーマンス指標。
2.10.2 操業パフォーマンス指標[operational performance indicator(OPI)]:組織の操業における環境パフォ
   ーマンスについての情報を提供する、環境パフォーマンス指標。


3.環境パフォーマンス評価(EPE)

3.1 概要
3.1.1 マネジメントモデル

                      図1 環境パフォーマンス評価(EPE)

3.1.2 指標
    EPEの指標には、環境パフォーマンス指標(EPI)と環境状態指標(ECI)とがある。
   環境パフォーマンス指標(EPI)には次の2種類がある。
     ・マネジメントパフォーマンス指標(MPI):組織の操業の環境パフォーマンスに影響を与えるマネジメント
      努力に関しての情報を与える。
     ・操業パフォーマンス指標(OPI):組織の操業の環境パフォーマンスについての情報を提供する。
   環境状態指標(ECI)は、環境状態についての情報を提供する。この情報は、組織がその環境側面の実在
   の影響又は潜在の影響をよりよく理解することを助け、それによってEPEの計画及び実施の支援をする。
3.1.3 EPEのマネジメント用途
    EPEによって作成した情報は、次の点で組織を支援できる。
     ・環境パフォーマンス基準を達成するために必要な行動の決定
     ・著しい環境側面の特定
     ・環境側面のマネジメントを、より改善する機会の特定(例 汚染予防)
     ・環境パフォーマンスの傾向の確認
     ・組織の効率及び有効性の向上
     ・戦略的機会の特定

3.2 EPEの計画(計画)
3.2.1 一般指針
    組織は、次に基づきEPEを計画することが望ましい。
     ・管理可能で、かつ、影響力をもつと期待し得る著しい環境側面
     ・環境パフォーマンス基準
     ・利害関係者の見解
     *利害関係者の見解の明確化に関しては、附属書A.2において指針として示されている。
   EPEの実施のための財務的、物的及び人的な資源は、経営層が特定し、用意することが望ましい。
   組織のEPEで初期の適用範囲は、能力及び資源に応じて、経営層が最優先とする活動並びに製品、
   サービスなどの要素に限定するとよい。
   環境マネジメントシステムをもたない組織では、著しいと扱う環境側面を特定すること、及び環境パフォーマン
   ス基準を設定することの一助としてEPEを使ってもよい。
     ・材料並びにエネルギーの使用量及び種類  
     ・放出
     ・リスク
     ・環境状態
     ・発生事象の可能性
     ・組織が準拠する法規、規制、その他の要求事項
   実践の手引(No1)において、環境マネジメントシステムをもたない組織の場合における、環境側面の特定
   及びEPEでの相対的重要性を特定するための方法の例を示す。
3.2.2 EPEの指標の選択
   3.2.2.1 一般指針
       EPE指標は、定性的又は定量的なデータ又は情報をより理解しやすく、かつ、有用な形で表現する
       手段として、組織が選択する。
       実践の手引(No2)において、EPEの指標に用いるデータの特性の例を示す。
      *EPE指標の選択における考慮事項として"組織の宣言した環境方針と整合性がとれているか"等は
       附属書A.3.1に示されている。
       実践の手引(No3)において、共通データから意図する対象者に応じて、導かれたEPEの指標を幾つか
       選択し、組織を説明する例を示す。
      *EPE指標の選択のアプローチについては、"因果関係からのアプローチ、リスクに基づくアプローチ、
       ライフサイクルアプローチ、規制又は自主的アプローチ"等は附属書A3.2に示されている。
   3.2.2.2 MP I(マネジメントパフォーマンス指標)の選択
       MPIは、環境パフォーマンスを向上させる経営層の取組み、決定及び処置の評価を助ける。
      *MPI指標の例として、"方針及びプログラムの実施、適合性、財務的パフォーマンス、地域社会関係"
       について、附属書A4.2.2に示されている。
   3.2.2.3 OPI(操業パフォーマンス指標)の選択
       OPIは、経営層に組織の操業についての、環境パフォーマンス情報を提供すること。
      *OPI指標の例として、"材料、エネルギー、組織の操業を支えるサービス、施設及び装置、供給と
       引き渡し、製品、組織によって供給されるサービス、廃棄物、排出物"について、附属書A4.3.1に
       示されている。
   3.2.2.4 ECI(環境状態指標)の選択
       ECIは、局地的、地域的、国家的又は地球規模での環境についての情報を供給する。ECIは、環境への
       評価の尺度ではないが、ECIにおける変化は、環境の状態と組織の活動、製品及びサービスとの関係
       についての有益な情報を提供できる。
       ECI指標の例は、地域的国家的又は地球規模のECIに関するものとしてはオゾン層の厚さ、地球の平均
       温度等が挙げられている。
      *ECI指標の局地的地域的環境状態指標の例として、"大気、水、土地、植物、動物、人間、景観、並びに
       歴史的遺産及び文化"について、附属書A4.4.2に示されている。
       実践の手引(No4)において、特定した環境問題を、選択したEPEの関連指標(ECI、OPI、MPI)を用い
       て説明する例を示す。

3.3 データ及び情報の使用(実施)
3.3.1 概要
3.3.2 データ収集
     組織は、選定されたEPE指標の計算の入力に当たって定期的に行い、EPE計画と一致する頻度で収集する
    ことが望ましいい。
     データの情報源を例示する。
3.3.3 データの分析及び変換
     収集されたデータは、分析し、組織の環境パフォーマンスを示すEPEの指標に変換する。
3.3.4 情報の評価
     EPI及びECIで表現される分析データからの情報は、組織の環境パフォーマンス基準と比較することが
    望ましい。この比較によって、環境パフォーマンスの改善の必要性と問題点が示される。
3.3.5 報告及びコミュニケーション
   3.3.5.1 一般指針
   3.3.5.2 内部報告及びコミュニケーション
       組織の環境パフォーマンスを記述する情報の例を示す。
   3.3.5.3 外部への報告及びコミュニケーション
       EPEは、環境報告書又は外部対象者とのコミュニケーションに必要な情報を提供する。
       実践の手引(No5)において、組織が外部の利害関係者に報告又はコミュニケーションするとき選択し
       得る情報の例を示す。

3.4 EPEのレビュー及び改善(チェック及び行動)
   組織のEPEとその実施結果は、改善の余地を特定するために定期的にレビューすること。
   EPEとその結果のレビューステップには、次のことを含めることができる。
     ・費用効果並びに得られた便益
     ・環境パフォーマンス基準達成への進捗度
     ・環境パフォーマンス基準の適切性
     ・選択したEPE指標の適切性
     ・データ源、データ収集手段及びデータ品質
   実践の手引(No6 チェック)において、EPEのレビューを助ける質問の例を示す。
   
   実践の手引(No7 行動)において、EPEを改善する行動の例を示す。




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