ISO 45001:2018
JIS Q45001:2018
労働安全衛生マネジメントシステムについて

規格の概要


■ISO 45001(JIS Q45001)新規制定規格

労働安全衛生マネジメントシステムの新しい国際規格が、2018年に制定されました。

(1)発行の経緯
 現在わが国では、これまで4つの労働安全衛生マネジメントシステムが活用されていますが、世界基準となるべきISO規格は無い状況でした。
 この、労働安全衛生に関する国際規格の発行は長く待ち望まれてきました。労働安全衛生に関して世界には国家による手引書がたくさんありますが、「OHSAS 18001」だけが世界規模で採用されており、およそ130カ国で39の業種の9万の組織で適用されている状況になっていました。

 この様な状況から労働安全衛生に関するISO規格の作成が急がれ、ISO/FDIS 45001として2017年11月30日に賛否確認のために原案が公開されました。その後度々の修正が加えられましたが、最終案の賛否を問う投票が2018年の1月に締め切られ、その結果2018年3月12日に発行されました。

(2)発行の目的
ISO 45001は以下の目的で策定されています。
・組織が労働安全衛生のパフォーマンスを向上させる
・労働に起因する負傷及び/または疾病を予防する
・安全かつ健康的な職場を提供する。

(3)ISO 45OO1 の構成について
 ISO 45OO1は次の構成になっています。
・まえがき
・序文
・1.適用範囲
・2.引用規格
・3.用語及び定義
・4.組織の状況
・5.リーダーシップ及び労働者の参加
・6.計画
・7.支援
・8.運用
・9.パフォーマンス評価
・10.改善
・付属書A(参考) この規格の利用の手引

(4)ISO 45OO1重要点の概要(CQI/IRCA発行資料から)

1. 附属書SLの採用

 ISO 45001 は附属書SLを採用しています。したがって、上位構造、共通の核となる本文と用語と定義を、最近改訂されたISOマネジメントシステム規格、例えば ISO 9001:2015やISO 14001:2015と共有しています。

 これが意味するところは明らかです。共通の構成、内容及びテーマ(例えば、リスクに基づく考え方、プロセスアプロ一チ、リーダ一シップ及びトップマネジメントのコミットメント)を持つことにより、組織が複数のマネジメントシステムを整合させたり、統合したりしやすくなります。

2. リ一ダーシツプと労働者の参加

トップマネジメントは、OH&S(occupational health and safety) マネジメントに説明責任を負っており、リーダーシップとコミットメントの両方を示す必要があります。実際に、これが成功のためには必須の要素だと明示されています。

危険源とリスクの洗い出し、及びOH&Sマネジメントシステムの確立と運営に、協議と労働者の参加が求められるということは、OH&Sマネジメントシステムの運用のみならず、OH&Sマネジメントシステムの設計レビューや、改善への協議と、労働者の参加の範囲が拡大されたということになるでしょう。これはOH&Sマネジメントシステムの成功にとって必須であると考えられています。

3. 管理責任書

「管理責任者」の任命要求はありませんが、英国など多くの国では、管理責任者の役割は法的要求事項です。すべての管理者は、OH&Sへのコミットメントを実証できなければなりません。ISO 45001は職場における事故だけでなく、ストレスといった問題も組織のすべての部署に影響を与え得るとしています。これは任命された管理責任者が必ずしも理解できることではありません。

4. 労働者の定義

トップマネジメントや請負事業者も含むすべてが労働者と分類されます。実施される日常の活動のすべてはリスクの対象であり、講負事業者とその労働者がOH&Sマネジメントシステムの要求事項を満たしていることを確認せずに外部資源を利用することは許されません。請負事業者とアウトソース先を選定するときには、OH&Sの基準を定めて適用することが組織の調達プロセスに要求されています。

5. 状況

組織の意思決定や活動に影響を与えたり、影響を受けたり、影響を受ける可能性のある組織や個人といった「利害関係者」(もしくはステークホルダー)の期待を考慮する必要があります。

多くの組織では、新しい品質及び環境マネジメントシステムの移行プロセスにおいて、事業を取り巻く状況や利害関係者の問題にすでに取り組んでいたり、今後取り組むかもしれません。そこで行ったプロセスは、ISO 45001を実施する際に役立ちます。

6. 適用範囲

システムの適用範囲の境界は組織の状況により決定され、注意義務を果たすことなくリスクを委託することは受け入れられません。

7. リスクに基づく考え方及びプロセスアプローチ

リスクに基づく考え方とプロセスアプロ一チの適用は、どちらも規格全体を通して強調されています。これは附属書SLに基づく他のマネジメントシステム規格とも一致しており、OH&Sマネジメントシステムの成功にとって不可欠だと考えられています。

予防処置についての言及はありません。組織は、組織が意図する成果を達成するためのOH&Sマネジメントシステムの能力に影響を与える可能性のあるリスクと機会を決定し、考慮し、必要に応じて対応していることを示さなければなりません。

8. 疾病と負傷を予防する

組織は、負傷と疾病の原因となり得る要因を考慮しなければなりません。これには、身体的な状態だけでなく、精神的あるいは認知能力の状態も含まれることが明示されています。
疾病と負傷の原因には、その場で引き起こすもの(例えば事故)のほか、有害物質に繰り返し暴露される、あるいはストレス過剰な職場環境といった長期にわたって引き起こすものがあります。

(5)ISO 45001発行後の従来規格の動き
現行規格類の改定予定は次のようになります。
1.厚生労働省指針OSHMSは一部分が改正されます。
2.JISHA方式のシステム基準は内容を見直して継続されます。
3.COHSMSは内容を見直して継続の予定です。
4.ILO-OSHガイドラインは継続されます。
5.OHSAS 18001は3年後に廃止されます。

(6)現在規格との認証の更改(lSO45001への乗換について)
 ISO 45OO1はOHSAS 18001を引き継ぐものですが、OHSAS 18001の改訂や改正ではなく、新しい、別個の規格です。移行する対象としてのISO規格としての前の版はありませんので、組織はOHSAS 18001からISO 45001へ乗換える(migrate)ために、3年間の猶予が与えられます。
移行(transition)と乗換(migrate)と言葉は違いますが、そのプロセスは、ISO 9001:2008からISO 9001:2015への移行のプロセスと同様のものとなります。

■ ISO 45001に対応した日本工業規格 JIS Q45100
ISO 45001に対応した日本工業規格は、ISO 45001の規格内容を邦訳した内容のほかに、一体で運用できる我が国独自の追加要求事項が制定されています。その理由は、労働安全衛生をめぐる法規制及び安全衛生基準は、国によって格差が存在する中で、ISO規格は各国の状況に応じて柔軟に適用できるように作成されています。このため、厚生労働省の「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」で求められている安全衛生活動等が明示的に含まれていません。そこで、日本の国内法令との整合性を図るとともに、多くの日本企業がこれまで取り組んできた具体的な安全衛生活動、安全衛生管理体制などを盛り込み、ISO 45001と一体で運用することによって、労働災害防止及び健康確保のために実効性のある労働安全衛生マネジメントシステムを構築することとしています。従って規格の番号は、JIS Q45100となります。



従来の労働安全衛生マネジメントシステムについて

@ 国際的に活動している審査機関が集まって、審査登録に使用できる規格として制定したもの
OHSAS18001:2007 労働安全衛生マネジメントシステム−仕様
(Occupational Health and Safety Management Systems −
Specification)
OHSAS18002:2008 労働安全衛生マネジメントシステム−OHSAS 18001の実施の為の指針
(Occupational Health and Safety Management Systems −
Guidelines for the implementation of OHSAS 18001 )
現在第三者認証が可能なシステムで
他のISO品質マネジメントシステム(ISO9001)、ISO環境マネジメントシステム(ISO14001)と同時に認証を取得する合同審査も行われています。  (注)今後、新規制定されたISO 45001/JIS Q45100 に切り替わっていきます。

A ILO(世界労働機構)がISOとの話合いのもとにまとめた世界基準
ILO-OSH 2001 「労働安全衛生マネジメントシステムに関するガイドライン」
(Guidelines on occupational safety and health management systems ILO-OSH 2001)
企業内での労働安全衛生マネジメントシステムを構築する為のガイドラインで、この基準に沿って設定された Bが活用されています。

B 労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針(平成18年3月10日付厚生労働省告示) 厚生労働省主導による、企業内における労働災害の防止を図る為に導入する労働安全衛生マネジメントシステム「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針の改正について(平成18.3.17基発第0317007)」と共に扱われ各企業で実施されつつあります。 この指針は第3者認証を規定していませんが、労働基準監督署長の実施確認を受けることによって、特典を得られるシステムになっています。

C COHSMS(建設業労働災害防止協会主導のマネジメントシステム)
建設業労働災害防止協会主導のもとに関係企業において活用されています。

第13次労働災害防止計画

第13次労働災害防止計画 (※PDF資料)

ISO 45001(JIS Q45100)
指導内容:
第三者認証取得までの、企業内の労働安全衛生マネジメントシステム構築とこれに伴う教育・指導をお引き受けします。
★ 規格の平易な説明
★ 運用の組織体制構築
★ 運用しやすい文書化の支援
★ 内部監査員研修
認証登録まで責任をもって推進します。
「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」
指導内容:
この指針に基づいた労働安全衛生システムの構築には、
  @リスクアセスメント(危険性又は有害性等の調査)に関する調査
  A企業方針に基づく P-D-C-A(継続的改善)の実施と、労働安全衛生マネジメントシステムの
   適切な処置
を実施することが必要です。
このことに必要な教育・指導をお引き受けします。
リスクアセスメント
指導内容:
「労働安全衛生マネジメント」システムの一部として、ご指導します。


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