医療機器の申請と審査について

申請先: 独立行政法人 医療品医療機器総合機構(PMDA)医療機器審査部

(1)必要な資料

承認申請書 種別
名称
使用目的、性能又は効果
形状、構造及び原理
原材料又は構成部品
品目仕様
操作方法又は使用方法
製造方法
貯蔵方法及び有効期間
製造販売する品目の製造所
原材料の製造所
備考
添付資料 有効性、安全性、品質を証明する資料(根拠のデータ)
注意事項 ・承認申請書で品目を十分に特定すれば、添付すべき根拠のデータは少なくなる
 場合がある。
・広い範囲で承認取得する場合は、示すべき範囲を広くする。
(例)
  ・複数の疾患に用いる機器: 各疾患での有効性・安全性の証明が必要
  ・原材料の特定が不十分: 原材料の範囲での有効性・安全性の証明が必要

(2)承認申請書の詳細

使用目的、効能又は効果(性能、使用目的、効能又は効果) ・使用目的として、適応となる疾患者と疾患名、使用する状況、期待する効果などに
 ついて適切な記載をすること。
・必要に応じて効能又は効果を記載する。
・開発のコンセプトと矛盾しないこと。
・販売後の使用目的を考慮すること。
形状、構造及び原理 ・外観形状、構造,各構成ユニット、電気的定格、各部の機能等、どのような製品で
 あるのかを具体的に記載する。
・機器の使用目的を果たす原理について、医用電気機器の場合はブロック図を用い
 て説明する。
・有効性又は安全性に影響を及ぼす部分の構造を詳細に記載する。
・寸法は実際に製造する製品をふまえて記載する。(幅の記載は原則不適)
原材料又は構成部品(原材料の成分及び分量) ★有効性及び安全性に影響を及ぼす部分の原材料については十分に特定する。
・安全性に影響を及ぼす部分: 生物学的安全性(血液、体液に直接・間接に
 接触部分)、物理的特性
・有効性に影響を及ぼす部分: 性能に影響を及ぼす部分
・ヒトや動物の組織由来製品に関しては、病原体
品目仕様(規格及び試験方法) ・品質、安全性及び有効性の観点から、機器の要求事項として求められている
 設計仕様のうち、「形状、構造及び原理」に該当しない事項を記載する。
・品質、安全性及び有効性の観点から求められる規格等を設定する。
規格及び試験方法において、
・製造元の品質管理の考え方、品質管理方法を十分に調査のうえ、申請品の品質
 を担保するために必要な項目を設定する。
・必ずしも、最終製品で行うことができる試験のみで、品質が担保できるとは限ら
 ない
操作方法又は使用方法 ・準備段階から使用後の処置まで、手順に沿って記載する。
・有効性及び安全性に影響を及ぼす必要な手順は盛り込む。
・手順は図等も利用して、分かり易く記載する。
・他の品目と組み合わせて使用する場合、組み合わせて使用する機器を含めた
 操作方法を記載する。
・使用時に滅菌する機器の場合は、推奨する滅菌方法や滅菌条件を記載する。
製造方法 ・原則として、部品受け入れ工程から出荷判定を行うまでの工程を記載する。
・製造条件によって、製品の品質、物性等が異なる品目では、品質、安全性に
 大きな影響を与える工程については、その製造条件を記載する。
・製造元の製造方法を調査して、有効性、安全性及び品質に影響を及ぼす
 重要工程を盛り込んで記載する。
・ヒトや動物由来原料を使用して製造する場合は、ウィルス等の不活化/除去処理
 の方法等、品質・安全性確保の観点から必要事項を記載する。
貯蔵方法及び有効期間 ・有効性、安全性及び品質が保証できる期間を設定する。
・通常の保存条件で安定性が保証されているもののあっては、記載の必要はない。
・保存に特別な注意が必要なものにあっては、保存条件の詳細を記載する(温度・
 湿度条件、遮光など)。
備 考 ・高度管理医療機器、管理医療機器の別を記載。
・生物由来材料又はそれに相当するものを含有するものは、「生物由来材料等
 含有」と記載する。
・遺伝子組み換え技術を利用して製造する医療機器については、「遺伝子組み換え
 技術利用機器」と記載する。
・クラス分類
・新規原材料を使用したものはその旨記載
・一部変更申請の場合は、変更理由、比較表
・許可申請予定の都道府県名
・外観写真(構成部品について添付する)
・その他

(3)添付資料(STED)

概 要 添付資料の内容をまとめたもの、
・申請者の見解(試験の妥当性、なぜその試験結果で有効性及び安全性が確保
 されるのか等)を説明する資料。
・部会においては資料概要で審査し、専門協議においても資料概要の位置づけは
 重要。
・提出された試験等の概要が分かるように、試験目的、方法、結果、考察などを
 記載する。

 3.1 品目の総括

起源又は発見の経緯 何を目的に申請製品を開発したのか(開発のコンセプト)。
・申請品目の新規性、工夫や改良されている点。
・既存品(新医療機器の場合は現治療法などを含む)との相違。
                  ↓
【設計要求事項、設計検証、妥当性確認などを要領よく説明する】
開発の経緯 申請品目の開発段階で行った検討内容を説明する。
・開発の途中で問題になった点、設計変更された点についてその理由と対応の
 妥当性などを含める。
・開発の対象となった医療機器の品質、耐久性、信頼性、安全性、効能又は効果、
 性能、使用価値等を評価する上で必要となる全ての項目について記載する。
・非臨床試験及び臨床試験を開始した時期並びに非臨床試験から臨床試験に移行
 した判断根拠を記載する。
・開発段階での試験も含め、各試験の開始及び終了年月日を年表形式に記載
 する。
外国における使用状況に関する資料
(起源又は発見の経緯及び外国における使用状況等)
外国での認可及び使用状況当について、認可/使用国数及び主要な認可/使用国名、販売名(原語)、年間使用概数、効能・効果、使用方法等に関して、できるだけ最新の情報を国別一覧にして記載する(申請中の場合も記載する)。
・不具合が生じた場合生命の危険に直結する蓋然性が相対的に大きいと考えら
 れるものについては、これまでに報告されている不具合の種類、発生頻度等の
 概略を一覧表として記載するとともに、主たる使用国での使用上の注意が確認
 できる資料を添付する。
・調査年月日を記載するとともに、内容に変更があった場合は、報告すること。
 特に、不具合・有害事象情報については、審査中であってもアップデートすること。

 3.2 機器に関する記述

類似医療用具との比較
(起源又は発見の経緯及び外国における使用状況等)
・有効性、安全性、使用上の特長、製品の特長等について、構造・原理的、臨床的
 に類似の既承認医療機器と比較した際の位置づけなども含めて記載する。
・類似医療機器との比較は、同じ部分の比較のみでは不十分。原理、原材料、
 効能・効果、性能、使用方法等、申請する医療機器の特性に応じて、適切な項目
 を多角的に比較することが重要。類似医療機器が複数ある場合には、複数機器に
 ついて記載する。
・既存品(あるいは既存の治療法)に対する臨床的位置づけ、臨床上のメリット・
 デメリット等についても比較検討を行う。

 3.3 設計検証及び妥当性確認文書の概要

基本要件に適合することを示すために用いた規格への適合性
物理的化学的性質並びに規格及び試験方法
物理的化学的性質
-歯科材料や高分子材料等を応用した医療機器のように、配合成分の特性が
 医療機器としての本質に係るものについては、当該原材料の特性に応じて、
 化学構造、赤外吸収、紫外吸収、原子吸光、融点、沸点、耐久性、硬度、色調、
 溶出物、表面特性等について記載する
-機器の特性に応じて、機械的及び電気的特性等の仕様を裏付ける根拠を説明
 する。
電気的安全性、生物学的安全性、放射線に関する安全性その他の安全性 ・電気的安全性:IEC60601-1(医用電気機器−第1部:安全性に関する一般的
 要求事項)等に規定する試験の結果に基づき、電気的安全性を説明する
・電磁両立性:IEC60601-1-2(医用電気機器−第1部:安全性に関する一般要求
 事項−第2節:電磁両立性−要求事項及び試験)に規定する試験の結果に基づ
 き、電磁両立性を説明する。
 規定する試験に合致しないものにあっては、その箇所及び理由並びに当該試験の
 妥当性について記載する。
・放射線に関する安全性
・機械的安全性
・滅菌
-わが国の滅菌バリデーション基準、滅菌バリデーションに関するガイドライン等を
 参考にバリデーションを行い、無菌性保証水準10-6が担保できることを説明する。
-ウィルスバリデーション
生物学的安全性
・以下の生物学的安全性ガイドラインに従って生物学的安全性を評価し、記載する。
-「医療用具の製造(輸入)承認申請に必要な生物学的安全性試験の基本的考え
  方」(平成15年2月13日医薬審第0213001号)
-「歯科材料の製造(輸入)承認申請に必要な物理的・化学的及び生物学的試験の
  ガイドラインについて」(平成8年10月28日薬機第419号)
・生物学的試験を省略する場合は、その妥当性を説明する。
                     ↓
規定する試験に合致しないものにあっては、その箇所及び理由並びに当該試験の妥当性について記載する。
安定性 ・既に安定性が十分に確認されているもの以外のものにあっては、安定性又は
 耐久性(滅菌済み医療機器にあっては、滅菌による材質劣化に関する事項を
 含む)に関する実際に貯蔵される状態及び苛酷条件における経時変化等の
 試験結果から、有効期間を設定する。

→ 新規原材料については、原則、安定性に関する評価が必要。
・加速試験は十分にバリデートされたものがある場合は使用することが可能である
 が、その妥当性を説明する必要がある。(新規材料については原則として、
 加速試験の妥当性を説明することは困難である)
・特定の貯蔵方法によらなければ、品質を担保することが困難である場合は、
 貯蔵方法、条件をその根拠とともに説明する。
性 能 ・機器の特性と改良点(新規性)を考慮して、以下の検討を行い、効能、使用方法、
 性能を評価する。
-効能を裏付ける試験
-使用方法を裏付ける試験
-性能を裏付ける試験
・既承認品との比較により、本品の性能等を評価する場合には、比較試験も必要。
・性能等の裏づけとなる資料として、機械的試験、物理学的試験、in vitro試験、
 動物試験等が含まれる。

非臨床試験(有効性及び安全性)

臨床試験に移行する際の判断に重要 ・非臨床で検出されたハザードからリスクを推定し、リスク・ベネフィット評価を行い、
 臨床試験に移行する妥当性を判断する。
臨床試験のデザインを考える際に有用 -非臨床から得られた情報をもとに、臨床試験で示すべき内容が決まる場合もある。
-非臨床でハザードが十分に検出されリスクが推定されれば、臨床試験で観察すべ
 き項目が決まる場合もある。
臨床試験結果を解析する際に有用 -有効性の考察
-不具合・有害事象の考察
市販後調査等の計画を考える際に有用 -臨床試験結果及び非臨床試験で確認が不十分な部分はどこかを明確にして、
 市販後臨床試験のデザインに反映させることも可能。

臨床試験の添付の要否の基本的考え方

医療機器は、市販後人に使用される、⇒人に使用された際の有効性及び安全性を審査で確認する。 ・臨床試験(直接的な証明)
・非臨床試験(間接的な証明)
臨床使用における有効性及び安全性を確認するには、何を示す必要があるかについての知見が十分にある改良医療機器については、臨床試験を省略することも可能。 逆に蓄積された知見が不十分なもの(例えば、医薬審1043号通知の別紙1に記載されている機器など)については、原則、臨床試験が必要。
基本要件に適合することを示すために用いた規格への適合性(臨床試験の試験成績) ・各試験ごとに試験目的、試験方法(試験の種類、対象選択基準、除外基準、
 症例数、使用方法、使用期間、観察期間、併用療法、観察項目及び時期、
 評価方法・評価基準等)。
・及び試験成績(症例構成の内訳、患者背景、中止・脱落・プロトコール逸脱、
 有効性及び安全性)をまとめるとともに、試験方法の妥当性を説明する。

臨床試験で示されている有効性及び安全の範囲は、開発のコンセプトと矛盾
しないか
・本品の臨床的意義
・効能・効果又は使用目的
・対象患者
・併用療法
・観察期間(臨床試験でどこまで確認するのが妥当か)

総合評価

開発のコンセプト;新規性、改良点の明確化 新規性・改良点について
・非臨床試験:安全性(ハザード検出)、有効性(性能)、臨床の妥当性などの確認
・臨床試験:臨床使用における有効性及び安全性の確認
・規格及び試験方法:品質の確認
リスクベネフィット評価 ・リスクを明確にする
・ベネフィットを明確にする。
・ベネフィットがリスクを上回ることを確認する
リスクマネジメント 残留リスクの有無(設計変更等で対応できるものは含まない)

リスクは許容できるか

承認時の条件: 教育訓練、施設基準など
市販後調査: 例えば、長期有効性及び安全性など
添付文書の使用上の注意で注意喚起
添付文書(案) 添付文書は、適正使用の観点から重要
添付文書において、承認された性能、効能効果、対象患者、使用方法、注意事項などを適切に使用者に情報提供する必要がある。

審査においても、重要なポイント(PMDAの安全部とも連携
外国で承認されている医療機器にあっては、使用上の注意の設定根拠をよく理解し、必要事項を日本での添付文書にも反映させる

まとめ

申請書 申請品目はどんなものか?
申請品目の範囲は?
資料概要:    開発のコンセプト
 (添付資料)  新規性、改良点 有効性 安全性 品質
            +
            申請範囲
            ↓
      リスク・ベネフィット評価
      申請範囲でリスク<ベネフィットの確認
                ↓
          残存リスクに対する対応
                ↓
               承 認
注意 -データの不足、審査に必要な情報の不足がないように、申請に必要な資料を
 理解し、
-申請資料の信頼性を確保し、
-資料整備を含めた照会・回答が頻回発生することを防ぐために、法制・通知等を
 熟知して、申請の準備をすることで、審査時間を短縮できる。

[申請資料、回答書の提出にあたっての留意点]
審査プロセスにおける資料提出(新医療機器)の場合

申請資料   申   請
  自己点検
      プレゼンテーション
自己点検結果及び照会事項回答
(追加提出資料)

照会事項
      審  査
照会事項回答
(追加提出資料)

照会事項 通常、照会と回答提出は複数回
専門協議資料   専門協議
照会事項回答
(追加提出資料)

照会事項 照会は複数回行う場合がある。
専門協議を2回以上行う場合もある。
部会資料   部  会
薬事分科会資料   薬事分科会
      承  認

[申請時の留意点]

資料の充足性 ・有効性、安全性、性能、品質等を評価するために必要かつ十分な資料が提出され
 ているか?
・日本での規制で要求されている資料は、全て提出されているか?
・資料の提出を省略する場合においては、その正当性、科学的妥当性等が資料
 概要で説明されているか?
外国で承認済み(または申請中)の医療機器を 日本で申請する場合においては、当該医療機器の有効性、安全性、性能等を評価するために実施され、 該当する外国の審査承認機関に提出された資料を、最初から 提出することをお勧めします。
(日本語にする必要あり)
資料の質(ライティング)について ・申請書には、申請品を特定するために必要な情報が十分に記載されているか?
 提出された資料の情報は、申請書、資料概要等に適切に記載されているか?
・不適切な資料の例o翻訳が日本語として通じない資料・明らかな誤訳・ミスリードを
 誘因する意訳など。
申請する前に ・十分なメディカルライティングができているか
・必要な情報が適切に盛り込まれているか?
・日本語として通じるかどうか
・誤記、転記ミス、誤訳等がないか?
・落丁、コピーミス等がないかなど。

 について十分なレビューを行い、クオリティーコンロールされた信頼性の高い資料の提出が必要です。
自己点検 ・審査に入る前の段階において、通知等に沿った申請書類が提出されているか、
 誤記、転記ミスがないか等について、確認や書類整備などを行うことを指摘。
・本来は、申請前に十分な確認がなされているべき。
・審査の段階で、誤記や不備が発見されないように十分に点検を行うこと。
プレゼンテーション [主な目的]
・申請された医療機器の全体像を審査担当者が把握する。
・必要な申請資料が提出されていることの確認。
・申請資料の整備状況について双方で認識するなど。

問題点について、審査初期の段階での指摘

問題点を早期解決し、審査時間の短縮へ。
[説明のポイント]
・申請品の見本(可能な限り)を提示。
・品目の概要(現治療法、類似医療機器などの背景も含めて)。
・申請品の特徴、新規性、改良点、工夫された点。
・開発のコンセプト、
・改良した理由
・臨床上の位置づけ
・海外での承認状況(海外で承認された効能・効果、使用目的、PMA Number、
 510kNumberなど)
・海外での不具合発生状況、不具合対策
・有効性・安全性を裏付ける資料の概略など
プレゼンテーションで審査のポイントが絞られることは、審査時間の短縮のための鍵の一つである。

 申請品目、申請内容に熟知した担当者が要領よく説明することが重要。
・プレゼンテーション、面談等に輸入元の担当者が参加することは可能です(但し、
 プレゼンテーション等は日本語で行うことを原則とします。通訳が必要な場合は
 同席可です)。
照会事項に対する回答 ・照会事項の内容の正確な把握と正確な翻訳
→照会内容の意味(意図)を申請者や国内管理人が十分に理解して、
 照会事項に対して適切な回答ができるように製造元に伝える必要がある。
・回答の正確な翻訳
・結論を分かりやすく
・必要な情報を、できれば簡潔に
・回答の論旨に直接関係しない情報は不要
⇒原則として、回答内容は適切に資料概要に盛り込む。
⇒回答には盛り込む箇所、どのように盛り込むのかを含める。
★回答において新たなデータを提出する場合、そのデータの根拠となる試験成績等
 を資料として提出すること。
★専門協議資料、部会資料、薬事分科会資料の提出
・照会事項に対する回答内容を申請書、資料概要、添付文書案等に盛り込み、改訂
 を行う。

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