ISO/TS 16949
品質マネジメントシステム自動車生産及び関連サービス部品組織の
ISO9001:2008適用に関する固有要求事項の概要

この資料は、自動車生産/関連部品事業者の品質マネジメントシステムに関するISO規格でISO9001:2008に追加された固有要求事項の要約です。

 この規格は、自動車業界のセクター規格で、世界の自動車産業の品質システム規格を統合することにより、グローバル展開を目指す各国の自動車メーカーが部品等をグローバルに調達する際、サプライヤーや供給者の選別に共通の基準を適用することによって、高品質の保証と、低価格化を図ることを目的としている。
ISO/TS 16949:2009のISO 9001:2008に対する追加要求事項 (78項目)

序文 このTSの到達目標
TSの到達目標:不具合予防を重点に置いた継続的改善、サプライチェーンにおける欠陥予防、ばらつき及びムダの低減をもたらす品質マネジメントシステムをつくりあげること。

1.2 適用 適用除外
適用除外は、製品の設計・開発責任のない組織の場合の7.3に限られる。
製造工程設計は、許可される除外対象とはならない。

3 定義
3.1 自動車業界の定義:「コントロールプラン」「ポカヨケ」等12項目

4 品質マネジメントシステム 4.1 一般要求事項
4.1.1 一般要求事項−補足:組織は、アウトソースしたプロセスも、すべての要求事項に適合する責任は免れない。
4.2 文書化に関する要求事項  4.2.3 文書管理 4.2.4 記録の管理
4.2.3.1 技術仕様書:技術規格/技術仕様書及びその変更をタイムリーに内容確認すること。
4.2.4.1 記録の保管:記録の管理は、法規及び顧客要求事項を満たすこと。

5 経営者の責任  5.1 経営者のコミットメント
1.1 プロセスの効率:プロセスの有効性及び効率性を保証するために、製品実現プロセス及び支援プロセスをレビューすること。
5.4 計画
5.4.1.1 品質目標−補足:品質目標及びその評価指標を定めて、品質方針を展開するために用いること。
5.5 責任、権限及びコミュニケーション  5.5.1 責任及び権限  5.2.2 管理責任者
5.5.1.1 品質責任:是正処置に対する責任及び権限をもつ管理者に不適合に関する情報を速やかに報告すること。製品品質に関する責任者は、品質問題を是正するために生産を停止する権限をもつこと。
5.5.2.1 要求事項への対応責任者:顧客要求事項に対処するため、責任及び権限をもつ要員を任命する。
5.6 マネジメントレビュー  5.6.1 一般 5.6.2 マネジメントレビューへのインプット
5.6.1.1 品質マネジメントシステムのパフォーマンス:マネジメントレビューには、品質マネジメントシステムの要求事項及びパフォーマンスの推移を含めること。
5.6.2.1 マネジメントレビューへのインプット−補足:インプットには、顕在及び潜在の市場不適合、並びにそれらの品質、安全、又は環境に対する影響の分析を含むこと。

6 資源の運用管理  6.2 人的資源  6.2.2 力量、認識及び教育・訓練
6.2.2.1 製品設計の技能:製品設計の責任者は、設計要求事項を実現する能力をもち、適切なツール及び技法の技能をもつこと。
6.2.2.2 教育・訓練:製品品質に影響する活動を行うすべての要員について、教育・訓練のニーズ及び達成すべき力量を明確にする手順を文書に定めること。
6.2.2.3 業務を通じた教育・訓練(OJT):品質に影響する新規の業務又は変更された業務について、要員(契約又は派遣の要員も含む)に教育・訓練を行なうこと。
6.2.2.4 従業員の動機付け及びエンパワーメント:従業員を動機付けるプロセスをもつこと。品質目標達成にどのように貢献しているかを測定するプロセスをもつこと。 
6.3 インフラストラクチャー
6.3.1  工場、施設及び装置の計画:計画の策定には部門横断的アプローチを用いること。
6.3.2 緊急事態対応計画:緊急事態対応計画を準備すること。
6.4 作業環境
6.4.1 製品品質を達成するための要員の安全:設計・開発プロセス及び製造工程活動で、従業員に対する潜在的リスクを最小限にする製品の安全及び手段を明確にすること。
6.4.2 事業所の清潔さ:事業所を整頓され、清潔で手入れされた状態に維持すること。 

7 製品実現  7.1 製品実現の計画
7.1.1 製品実現計画−補足:顧客要求事項及びその技術仕様書の引用は、品質計画書の一部として製品実現の計画に含めること。
7.1.2 合否判定基準:合否判定基準を定め、要求があれば顧客の承認をうけること。
7.1.3 機密保持:顧客と契約した開発中の製品及びプロジェクト、並びに関係製品情報の機密保持を確実にすること。
7.1.4 変更管理:製品実現に影響する変更を管理し、対応するプロセスをもつこと。変更は実施前に妥当性確認をすること。
7.2 顧客関連のプロセス
7.2.1.1 顧客指定の特殊特性:特殊特性の指定、文書化及び管理に対する顧客要求事項に適合していることを証明すること。
7.2.2.1 製品に関連する要求事項のレビュー−補足:7.2.2で要求された正式なレビューを行わない場合は、顧客の許可を得ること。
7.2.2.2 組織の製造フィージビリティ:契約内容の確認プロセスで、リスク分析を含めて、提案製品の製造フィージビリティを調査し、確認し、文書化すること。
7.2.3.1 顧客とのコミュニケーション−補足:必要な情報を伝達する能力をもつこと。
7.3 設計・開発
7.3.1.1 部門横断的アプローチ:製品実現を準備するために部門横断的アプローチを用いること。
7.3.2.1 製品設計へのインプット:製品設計へのインプット要求事項を明確にし、文書化し、レビューすること。
7.3.2.2 製造工程設計へのインプット:製造工程設計へのインプットを明確にし、文書化し、レビューすること。
7.3.2.3 特殊特性:特殊特性を特定すること。
7.3.3.1 製品設計からのアウトプット−補足:製品設計からのアウトプットは、製品設計へのインプットの要求事項に対して検証及び妥当性確認ができるような用語で表現すること。
7.3.3.2 製造工程設計からのアウトプット:製造工程設計へのインプットの要求事項に対して検証及び妥当性確認ができるような用語で表現すること。
7.3.4.1 監視:設計・開発の規定された段階での測定項目を定め、分析し、その結果をマネジメントレビューへのインプットとして報告すること。
7.3.6.1 設計・開発の妥当性確認−補足:設計・開発の妥当性確認は、顧客要求事項に従って実施すること。
7.3.6.2 試作プログラム:顧客から要求された場合は、試作プログラム及び試作コントロールプランをもつこと。
7.3.6.3 製品承認プロセス:顧客に認められた製品及び工程の承認手順に適合すること。
7.4 購買
7.4.1.1 法規への適合:製品に使用するすべての購買製品又は材料は、適用される法規要求事項に適合すすること。
7.4.1.2 供給者の品質マネジメントシステムの開発:このTSに適合することを到達目標として、供給者の品質マネジメントシステムの開発を実施すること。
7.4.1.3 顧客に承認された供給者:契約で規定されている場合、承認された供給者から、製品、材料又はサービスを購入すること。
7.4.3.1 購買製品の品質:購買製品の品質を保証するプロセスをもつこと。
7.4.3.2 供給者の監視:供給者のパフォーマンスを監視すること。
7.5 製造及びサービス提供
7.5.1.1 コントロールプラン:コントロールプランを作成し、実施すること。
7.5.1.2 作業指示書:製品品質に影響する工程の作業責任者には作業指示書を作成すること。
7.5.1.3 作業の段取りの検証:作業の立上げ、材料変更、作業変更などが実施される場合は、その都度、作業の段取りを検証すること。
7.5.1.4 予防保全及び予知保全:機械/設備保全のために経営資源を投入し、総合的予防保全システムを開発すること。
7.5.1.5 生産治工具の運用管理:生産治工具の運用管理システムを確立し、実施すること。
7.5.1.6 生産計画:受注生産方式に対応して、顧客要求事項を満たすように計画すること。
7.5.1.7 サービスからの情報のフィードバック:サービス問題に関する情報を、製造、技術及び設計活動に伝達する手順を定め、実施すること。
7.5.1.8 サービスに関する顧客との合意契約:サービスに関する顧客との合意契約がる場合は、有効性を検証すること。
7.5.2.1 製品及びサービス提供に関するプロセスの妥当性確認−補足:要求事項7.5.2は、製造及びサービス提供に関するすべてのプロセスに適用すること。
7.5.3.1 識別及びトレーサビリティ−補足:7.5.3の“必要な場合には”は適用しない。
7.5.4.1 顧客所有の生産治工具:顧客所有の治工具及び装置等は、各品目の所有者を目視で判別できるように、恒久的に表示すること。
7.5.5.1 保管及び在庫管理:劣化を発見するために、保管中の製品の状態は、計画した間隔で評価すること。
7.6 監視機器及び測定機器の管理
7.6.1 測定システム解析:測定装置のばらつきを解析するため統計的調査を実施すること。
7.6.2 校正/検証の記録:ゲージ、測定装置及び試験装置に関する校正/検証活動の記録を残すこと。
7.6.3 試験所要求事項(項目のみ)
7.6.3.1  内部試験所:内部の試験所施設は、適用範囲を定めること。
7.6.3.2 外部試験所:試験所適用範囲を定め、顧客に受け入れられることを証明できるか、あるいはISO/IEC 10725に適合すること。

8 測定、分析及び改善  8.1 一般
8.1.1  統計的ツールの明確化:使用する統計的ツールは、先行品質計画時に決定し、コントロールプランに含めること。
8.1.2  基本的統計概念の知識:基本的統計概念は、組織全体にわたって、利用されること。
8.2 監視及び測定  8.2.1 顧客満足
8.2.1.1 顧客満足−補足:実現プロセスのパフォーマンスの継続的評価を通じて、顧客満足を監視すること。
8.2.2 内部監査
8.2.2.1 品質マネジメントシステム監査:TS及び追加されたあらゆる要求事項に適合していることを検証するために、その品質マネジメントシステムを監査すること。
8.2.2.2 製造工程監査:その有効性を判定するために、個々の製造工程を監査すること。
8.2.2.3 製品監査:生産及び引渡しの適切な段階で定められた頻度で製品を監査すること。
8.2.2.4 内部監査の計画:すべての品質マネジメントを対象とし、年間計画に従って予定すること。
8.2.2.5 内部監査員の資格認定:内部監査員は、このTSの要求事項を監査する資格を有すること。
8.2.3 プロセスの監視及び測定
8.2.3.1 製造工程の監視及び測定:新しい製造工程には、工程能力を検証し、工程調査を実施すること。
8.2.4 製品の監視及び測定
8.2.4.1 寸法検査及び機能試験:寸法検査及び機能検証は、コントロールプランに従って、個々の製品に実施すること。
8.2.4.2 外観品目:顧客から“外観品目”として指定された製品を製造する場合は、必要なデータを提供すること。
8.3 不適合製品の管理
8.3.1 不適合製品の管理−補足:特定できない、又は疑わしい製品は、不適合製品として分類すること。
8.3.2 手直し品の管理:再検査要求事項を含む手直し指示書は、適切な要員が閲覧し、活用できるようにすること。
8.3.3 顧客情報:不適合製品が出荷された場合には、顧客に対して速やかに通知すること。
8.3.4 顧客の特別採用:製品又は製造工程が承認されているものと異なる場合にはすべて、処理の前に顧客の特別採用又は逸脱許可を得ること。
8.4 データの分析
8.4.1 データの分析及び使用:品質及び操業パフォーマンスの傾向を目標に対する進捗と比較して、支援活動に役立てること。
8.5 改善  8.5.1 継続的改善
8.5.1.1 組織の継続的改善:継続的改善のためにプロセスを定めること。
8.5.1.2 製造工程改善:製品特性及び製造工程のパラメータにおけるばらつきを管理し、低減することに、継続的に焦点をあわせること。
8.5.2 是正処置
8.5.2.1 問題解決:根本原因の特定及び除去を導く問題解決のプロセスをもつこと。
8.5.2.2 ポカヨケ:是正処置の中にポカヨケの方法を使用すること。
8.5.2.3 是正処置の水平展開:実施された是正処置及び管理を、他の類似のプロセス又は製品に対して適用すること。
8.5.2.4 受入拒否製品の試験/分析:顧客から受入を拒絶された部品を分析すること。このプロセスのサイクルタイムを最小にすること。
--------------------------------------------------------------------------------------
付属書A:コントロールプランの規定
      コントロールプランは、試作、量産試作及び量産の三つ段階で作成する。
(本規格の刊行文書で参照ください)


ISO9001 品質マネジメントのページへ

無料相談受付中! 詳しくは下記バナーもしくはお問合わせページから

ISO 9001の認証取得の支援
品質マネジメントシステムの構築のための準備、運用、文書化、内部監査実施の指導等をさせて頂き、認証登録まで責任を持って当たります。


技術士による確かなコンサルティング! まずはご相談下さい。

  コンサルティング費用一覧表
  ISO認証取得 コンサルティングスケジュールの事例
  当センターの特徴            TOPへもどる