JIS Q 17050 適合性評価 ―供給者適合宣言

 このJIS規格は、自社自らが「規格」若しくは「要求事項」に適合していることを「自己宣言」する場合の要求事項を規定しています。 ISO 9001やISO 14001といったマネジメンットシステムは、通常審査機関の審査を受けて登録しますが、審査を受けずに自社で「適合している」ことを宣言する制度です。


JIS Q 17050-1 第1部:一般要求事項

  条項 要約
適用範囲 ・分野を問わず、ある対象の規定要求事項への適合を証明するための一般要求事項を
 規定
・宣言の対象:製品、プロセス、マネジメントシステム、人、機関(解説から)
・第一,二,三者という3種類の適合性証明のうちの第一者証明、つまり供給者自ら基準への
 適合性を宣言するという手法が、CEマーキング制度の開始によって世界的に浸透しつつ
 あること。
・旧ガイドISO/IEC GUIDE21では、適用範囲が製品、プロセス、サービスとなっていた
 ため、「マネジメントシステム」の適合性評価手法として採用できるかの議論が沸き
 起こったこと。
・QMSやEMSに代表されるマネジメントシステムを適合宣言の対象とするかが議論され、
 最終的には「現行のISO9001やISO14001に基づく第三者機関の審査登録行為に代えて
 供給者自らが適合を表現することは問題はなし」との結論となった。
 また「供給者適合宣言」の代わりに「自己適合宣言」の用語を使用してもよいこととした。
引用規格 JIS Q 17000 適合性評価―用語及び一般原則
定 義 JIS Q 17000による。
備考
@「供給者適合宣言」は、JIS Q 17000で定義された「宣言」すなわち「第一者証明」
  である。
A認証機関による証明との混同がないように「自己認証」という用語は排除されており、
  使用しない方がよい。
適合宣言の目的 識別された対象が宣言書中の規定要求事項に適合しているという保証を与えること、並びに宣言の責任者を明確にすること。
一般要求事項 ・適合宣言の発行者は、適合宣言の発行、維持、拡大、縮小、一時停止又は取消し、及び
 対象の規定要求事項への適合責任をもつこと。
・第一者、第二者又は第三者の一つ以上が実施した適切な種類の「適合性評価活動」
 (試験、測定、監査、検査、調査など)の結果に基づくこと。 関与する適合性評価
 機関は、適用できる場合、該当する国際規格、ガイド及びその他の
 d基準文書を参照することが望ましい。
・同類の製品群に対するものである場合、その製品群の個々の製品に適用すること。
・適合性評価の適正実施基準として、適合性評価結果をレビューする要員は署名者と
 異なる者が望ましい。
適合宣言書の内容 6.1 発行者は、次の事項を含んでいること。
・@適合宣言の発行者 A宣言の対象 B適合を宣言する根拠となった規格又は
 他の規定要求事項 C適合宣言の発行者を代表する署名者又は代理署名者
・少なくとも次の事項を含んでいること。
 a)適合宣言の固有の識別
 b)発行者の名称、連絡先住所
 c)対象の識別(例;製品の名称、型式、製造日又はモデル番号、及びプロセス、
  マネジメントシステム、人又は機関の説明、補足情報など)
 d)適合の表明
 e)規格又は他の規定要求事項、及び要求事項に選択肢がある場合に採用した
  選択肢の完全/明確な一覧表
 f)発行日、発行場所
 g)発行者から権限を与えられた者の署名、氏名、役職名
 h)適合宣言の有効性に関する何らかの制限事項

6.2 適合宣言の基礎とした適合性評価結果と宣言とを関係付けるため、以下の
 支援情報を提供してもよい。

 a)関与した適合性評価機関(試験所、/校正機関、検査機関、認証機関)
 b)該当する適合性評価報告書の引用及びその報告書の日付
 c)関与したマネジメントシステムの引用
 d)適合性評価機関の認定範囲が適合宣言に関係する場合、関与した適合性評価
  機関の認定文書の引用
 e)JIS Q 17050-2に記述されているような関連支援文書の存在の言及
 f)取得している証明書、登録証又はマークに関する追加情報
 g)適合性評価機関のその他の活動又はプログラム(例:合意グループの会員資格)
適合宣言書の様式 ・付属書A(下記)を参照
・印刷物、電子媒体又はその他の媒体
アクセス性 適合性宣言書の「写し」を適合宣言の対象に関連する他の文書(例:声明書、カタログ、送付状、取扱説明書、ウェブサイト)に含めてもよい。
製品上へのマーク表示 ・製品などに表示する場合、他の認証マークと混同する形でないこと。
・適合性宣言へのトレーサビリティがあること。
10 自己適合宣言の有効性の継続 10-1 有効性の継続:手順をもち、実施すること。 ・意図:例として、初期の製品だけでなく、量産品も同等の条件で生産を続けている限り、製品が要求事項に適合していること。

10-2 有効性の再評価:次の状況が生じた場合、適合を確実にする手順をもち、実施すること。
 a)対象の設計又は仕様に重大な影響を与える変更
 b)対象の適合を表明する根拠となる規格の変更
 c)該当する場合、供給者の所有権又は経営構造の変更d)対象がもはや要求事項
   に適合していない可能性を示す関連情報の存在


付属書A(参考)供給者適合宣言書

A-2 適合宣言書の様式例

(この規格に従った)供給者適合宣言書

1)番号:_____________
2)発行者の名称:_______________
  発行者の住所:____________________
3)宣言の対象:________________
4)上記宣言の対象は、次の文書の要求事項に適合している:
文書番号
_______
_______
_______
表題
________________________
________________________
________________________
版数/発行日
_____________
_____________
_____________

5) 製品について:_______________________________________
 _______________________________________________

6)追加情報:_________________________________________
 _______________________________________________
 _______________________________________________

7)代表者又は代理者の署名:_______________________________

(発行場所及び発行日)

(氏名、役職名)                   (発行者から権限を与えられた者の署名又は同等の印)



(注釈)
3)対象:
a)適合宣言が当該対象に関係付けられるように、「対象」を明確にすることが望ましい。
b)大量生産品については、個々に製造番号を付ける必要はない。そのような場合、名称、型式、モデル番号などを示すだけで十分である。
5)製品については、適合の表明の別の形として、「上記の宣言の対象は、引渡し時に次の文書の要求事項に適合している」としてもよい。

(解説から)
供給者の管理を離れた後も適合の責任を負うことは現実として不可能との観点から、「製品の引渡し又は受領時」とする点を明確にしている。 時間的経過とともに宣言された製品規格の要求事項から外れるものの場合は、該当規格上でその旨が規定されるべきであり、適合宣言書には適合宣言に関する何らかの制限事項を追加規定することで決着している。

JIS Q 17050-2 第2部;支援文書

  条項 要約
適用範囲 JIS Q17050-1が取り扱う供給者適合宣言を実質的に裏付けるための支援文書に対する一般要求事項を規定
一般要求事項 4.1 トレーサビリティ
・支援文書は、供給者適合宣言から追跡(遡及)できる方法で作成、保持、管理、
 維持。
4.2 利用可能性
・適合宣言の発行者(発行機関又は発行人)は、関係当局の要求に応じ、規制上の
 要求事項満たすために必要な範囲で当局が支援文書を利用できるようにすること。
・その他の人又は機関からの依頼に対しても、利用可能にするのがよい。
(開示する規定だが、機密情報も含む可能性があるため、努力義務となっている)
4.3保存期間
・適用される法律又は規則に従った期間とし、発行者の裁量で更に長期間とする
 のがよい。
・顧客及びその他の利害関係者の個別のニーズを考慮すること。
支援文書の
内容
5.1 次の情報を含むこと。
a)宣言の対象の説明(製品、プロセス、マネジメントシステム、人、機関)
b)設計文書(説明書、図表、図面、専門知識及び能力の領域の識別、仕様書)の説明(製品説明書、取扱説明書、製品規格)
c)適合性評価結果
―使用した方法の説明(例;監査、監査手順、バッチ試験、デザインレビュー、検証及び妥当性確認、検査、サンプリング計画、シリアル試験、試験方法、型式試験)及びこれらを選択した理由―結果(例:監査報告書、試験報告書)
―逸脱及び容認を含め、結果の評価
d)関与した第一者、第二者又は第三者適合性評価機関の識別、関連する資格及び専門能力、並びに認定状態の詳細(例:認定範囲、認定機関の名称)

5.2 宣言された要求事項への適合を実証するために必要な場合、次の事項を含めることが望ましい。
a)宣言の対象に関係するマネジメントシステムの説明
b)その他の関連情報(例:リスク分析、再評価の手順及び計画)
5.3  5.1、5.2に規定する支援文書において、適合宣言の有効性に影響を与える何らかの変更があれば、文書化すること。


(解説から)
・この手法が真にその効果を発揮し、健全な発展を遂げるには、供給者側の自己責任原則に基づく真摯な取組と、これを受入れ、かつ、適正な実施を監視する社会基盤が不可欠である。
・マネジメントシステムを適用範囲に含まれることを明確にしたので、システムにおける適合の有効性を検証する効果的な手段を、製品の場合と違った観点から検討する必要がある。
・供給者適合宣言という適合性評価手法は、規制緩和政策の一つとして欧州をはじめ日本、アメリカ、オーストラリア、台湾などで採用され世界的な広がりを見せているが、運用面では差異を生じているのが現状であり、こうした差異をなくすことが期待される。


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