JIS Q 9023
マネジメントシステムのパフォーマンス改善―方針によるマネジメントの指針


この資料は、マネジメントシステムにおいて「方針によるマネジメント」の指針を示したJIS規格で、それを要約したものです。

0.序文

 この規格は、組織のマネジメントシステムのパフォーマンスを効果的、かつ、効率的に改善していくための支援技法として、方針によるマネジメントに関する指針を定めた規格である。 組織の使命、理念及びビジョンに基づく中長期経営計画及び方針の策定に始まり、組織内の関連する部門及び階層への展開、実施、実施状況の確認、処置をするサイクルを継続的に回し、マネジメントシステムのスパイラルアップを図る手引きを提供している。
 JISQ9001及びJISQ9004に基づくマネジメントシステムを効果的に、かつ、効率的に運営管理するための支援技法として使用されることを考慮している。
   【・この規格は、事業目的を達成するための組織経営の方針を策定、展開、運営管理する効果的な支援技法
     を提供し、経営方針を効率的に達成し競争優位へ導く指針である。
    ・“TQM標準化調査研究委員会”が1999年12月に設立され、2002年4月から活動内容はそのままで
     “品質マネジメントシステム規格委員会”に名称変更し引き継がれた。
    ・将来的にISO9004の改訂案としてISO/TC176に提案することを目的の一つとしている。】


1.適用範囲


2.引用規格


3.定義(主要な用語のみを示す)

  3.1 中長期経営計画(middle or 1ong-term business plan)  トップマネジメント(JIS Q900O)によって
      正式に策定された,戦略を実施する計画。
         参考 通常,中期は3〜5年,長期は5〜10年を意図している。

 3.2 方針(policy) トップマネジメント  JISQ9000)によって正式に表明された,組織(JIS O9000)の使命,
      理念及びビジョン,又は中長期経営計画の達成に関する,組織(JISQ9000)の全体的な意図及び
      方向付け。
参考1. 方針は,重点課題,目標及び方策を設定する枠組みを提供する。
2. 組織(JISQ9000)によっては,方針に次の事項を含める場合がある。
 a) 重点課題
 b) 目標及び方策
 c) 重点課題,目標及び方策
3. トップマネジメント(JISQO9000)の方針を受けて,組織内の責任者が表明した方向付けを方針と呼ぶことがある。
例 事業部長方針,支店長方針,所長方針
4. 特定のマネジメント領域の方針であることを示すために,修飾語を用いることがある。
例 品質方針,環境方針
5. 方針によるマネジメントを総称して“方針管理”と呼ぶことがある。

 3.3 方針の策定(policy creation)  方針,又はそれを具体化した重点課題,目標及び方策の策定。
 3.4 方針の展開(policy deployment) 方針に基づく,上位の重点課題,目標及び方策の,下位の
     重点課題,
       目標及び方策への展開。
 3.5 方針のすり合わせ(policy coordination)  方針に基づいて,組織(JISQ9000)の関係者が調整し,
       上位の重点課題,目標及び方策と下位の重点課題,目標及び方策が一貫性を持ったものにする
       活動。
 3.6 重点課題(critical issue) 組織(JISQ9000)として重点的に取り組み達成すべき事項。
          参考 点課題は,重要課題,重点実施事項,重要実施事項,挑戦課題などと呼ばれることが
              ある。
 3.7 目標(objectives)  方針又は重点課題の達成に向けた取組みにおいて,追求し,目指す到達点。
          参考 目標は,測定可能な形で示されることが多い。
 3.8 方策(means)目標を達成するために,選ばれる手段。
 3.9 実施計画(management program) 方策を実施して目標を達成するために必要な資源及びその
       運用プロセスを規定することに焦点を合わせた計画。
 3.10 管理項目(monitoring item)  目標の達成を管理するために評価尺度として選定した項目。
          参考1.方策の達成度を管理するために,評価尺度として選定した項目は,点検項目又は要因系
               管理項目と呼ばれることがある。
             2.管理項目は,部門又は個人の担当する業務について,目標又は計画どおりに実施されて
               いるかを判断し,必要な処置をとるために定められることもある。
 3.11 部門横断チーム(crossーfunctional team)   部門単独では解決が困難な課題に対処するために
       異なった部門から,活用できるすべての関連知識及び技能を結集し編成されたチーム。
          参考 部門横断チームには,組織の設計,製造,技術,品質,生産,及び他の該当する要員を
              含む。また,顧客(JIS Q9000),又はパートナーを含めてもよい。


4.基本概念

 4.1 方針によるマネジメントの原則
    ・トップマネジメントのリーダーシップが極めて重要である。
    ・PDCAサイクル、プロセス重視、事実に基づくアプローチ
 4.2 トップマネジメントの役割
 4.3 方針によるマネジメントのプロセス
   ・中長期経営計画及び方針の策定
     【中長期経営計画に基づいて方針を策定することを原則としているが、組織の規模、経営環境の変化など
      を勘案した上でこの策定の手順を省略することも可能としている。】
   ・方針の展開及び実施計画の策定
   ・方針の実施状況の確認及び処置

マネジメントシステムのパフォーマンス改善
図1 方針によるマネジメントの概要


5.中長期経営計画の策定

   ・手順:使命・理念・ビジョンの確認、外部環境の変化の分析、・・・


6.方針の策定

 6.1一般
 6.2 重点課題の決定
   ・組織における重点課題の決定
        三つの側面から重点課題となる項目を選択
        @組織の方針、A経営環境の分析から出てきた課題、B現状の反省から出てきた課題
   ・部門における重点課題の決定
        四つの側面から重点課題となる項目を選択
        @組織の方針、A部門の中長期計画、B環境の分析から出てきた課題、
        C現状の反省から出てきた課題
 6.3 目標の設定
 6.4方策の立案
   ・要因の明確化 -現場で現物を見ながら現実的に考えることを基本とする。
   ・方策の確定 -重要な要因を望ましい状態にする手段を検討し、重点を絞り込んだ方策を確定する。


7.方針の展開、並びに実施計画の策定及び監理項目の設定

 7.1 方針の展開
   ・方針の組織内への展開
        部門への展開
        部門横断チームへの展開
   ・方針のすり合わせ
   ・資源の準備
 7.2 方針の策定
   ・策定時に含める事項
        関連する方針、実施事項、担当者及びその責任・権限、実施日程
        最終的な目標値、途中段階での目標値、異常の判断基準となる処置限界、確認の時期及び
        頻度・・・等
 7.3 管理項目の設定
   ・管理項目を設定時に考慮する事項         目標値及び処置限界を定める。
        方策についてはその進捗を確認するための管理項目を定める。
        結果で確認していたのでは処置が遅くなる場合には、代替的な管理項目を設定する。
        ・・・等
   ・管理項目を用いて目標の達成度の確認、及び目標を達成していない場合の処置を実施するに当たって
     考慮する事項
        途中段階での目標値
        異常の判断基準となる処置限界
        管理項目の推移を確認する時期又は頻度・・・等


8.方針の実施、実施状況の確認及び処置

 8.1 実施計画に基づく実施
 8.2 実施状況の確認
 8.3 確認結果に対する処置
   ・達成度の評価を行なう
   ・未達成の原因を究明し挽回するための処置をとる。
   ・未達成の場合運営管理の側面での原因を究明して、再発防止処置を行なう。
   ・方策の変更を考慮する。
 8.4 トップマネジメントによる診断
      【診断は、トップマネジメントが組織の人々に方針を浸透させ参加意識を持たせることなどを趣旨に、
       期中に組織の現場において、組織の人々とのコミュニケーションを通して活動の実態を把握し、
       適切な対策を採るために行なう。】


9.方針の実施状況のレビュー及び次期への反映

 9.1実施状況の把握
   ・目標の達成度だけでなく、目標達成のための方策が確実に実施できたかという支店で分析し、実施状況を
    把握する。
 9.2 目標と実績との差異分析
   ・目標と実績との差異分析を行い、原因を固有技術及び運営管理の観点か追求する。
 9.3 分析結果に基づく処置
   ・問題点について、固有技術の側面から再発防止処置をとる。
   ・マネジメントシステム上の改善すべき事項について処置をとる。
   ・次期移行の方針及び中長期経営計画に、差異分析の結果で必要な事項を反映する。
 9.4 トップマネジメントによる期末のレビュー
      【レビューは、JISQ9000に準拠し、トップマネジメントが方針の実施状況の適切性、妥当性、有効性、
       効率などを評価することを趣旨に、期末に結果を判断し、次期の方針へ反映するために行なう。】


附属書1 方針によるマネジメントの自己評価
     5段階の成熟度でレベルを自己評価する方法を示し、各々の段階にあわせ継続的改善につなげる手引き
     である。
    附属書1 表1 中長期経営計画の策定の実施状況に関する評価の枠組み
    附属書1 表2 方針策定の実施情況に関する評価の枠組み
    附属書1 表3 方針の展開の実施情況に関する評価の枠組み
    附属書1 表4 実施計画の実施情況に関する評価の枠組み
    附属書1 表5 管理項目の設定状況に関する評価の枠組み
    附属書1 表6 方針の実施状況の確認及び処置に関する評価の枠組み
    附属書1 表7 方針の実施状況のレビュー及び次期への反映に関する評価の枠組み
(附属書はJIS規格の発刊文書に記載されています)


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